2013年6月14日金曜日

第10回ビジネス法務クイズ 第28回3級問2-1解答

2011年12月(第30回)、2012年 6月( 第31回)、 2012年12月(第32回)の過去問は、
現在販売中の2013年度版ビジネス実務法務検定公式問題集に載っています。
是非、書店で入手するようおすすめいたします。


=以下、ビジネス実務法務検定第28回第2問2-1の解答です。==========


受講生の「M.A.」さんの解説です。>>
2問 2-1 (5点)
次の文中の[ ]の部分に、後記の語群から最も適切な用語を選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。

2問 2-1[正解] ア  イ  ウ  エ  オ

契約が成立するためには、契約当事者間における意思表示の合致が必要であるが、実際の取引では、この意思表示の有効性が問題となることがある。
これには、民法上、表意者が表示した意思に対応する真意を欠く「意思の不存在」と、真意に対応した意思表示はなされているが、真意を形成する過程に問題がある「瑕疵ある意思表示」が挙げられる。

まず、意思の不存在には、次の
[ア心裡留保][イ虚偽表示]および[ウ錯誤]という態様がある。
[ア心裡留保]による意思表示とは、表意者が真意でないことを自分で知りながら、真意とは異なる意思表示をすることをいう。[ア心裡留保]による意思表示は、表意者と相手方との間では原則として有効である。
[イ虚偽表示]とは、表意者が相手方と通じて虚偽の意思表示をすることという。[イ虚偽表示]は無効である。ただし、[イ虚偽表示]であることを知らない第三者に対しては、意思表示が無効であることを主張できない。
[ウ錯誤]による意思表示とは、表意者が勘違いにより真意とは異なった意思表示をすることをいう。[ウ錯誤]による意思表示については、法律行為の要素、つまり意思表示の重要な部分について[ウ錯誤]がある場合に無効となるのであり、すべての勘違いが[ウ錯誤]による意思表示として無効になるわけではない。
 次に、瑕疵のある意思表示には、
[エ詐欺]による意思表示と[オ脅迫]による意思表示がある。
[エ詐欺]による意思表示は他人にだまされて意思表示をすることであり、[オ脅迫]による意思表示は他人からの害意により恐怖の念を生じて意思表示をすることである。
瑕疵ある意思表示をした者は、その意思表示を取り消すことができる。

[語群]
優良誤認表示  脅迫  承諾の意思表示
申込みの誘因  限定承認  心裡留保  詐欺
信義則  虚偽表示  公序良俗  有利誤認表示
解除  申込みの意思表示  錯誤  更改

《解説》
そもそも契約が成立する為の要件として「意思表示の合致」が必要になります。実際の取引の場面で意思表示が問題となるケースがあり、それを類型化した問題です。
意思の不存在はまたは「意思の欠缺(けんけつ)」という呼び方をしたりもします。
【意思の不存在】
・心裡留保:原則有効、相手が表意者の真意を知っているか、通常知ることが出来る場合は無効
・虚偽表示:原則無効、虚偽であることを知らない第三者に対しては有効
・錯誤による意思行事:原則無効
【瑕疵のある意思表示】
・詐欺による意思表示:意思表示について取り消すことが可能。ただ善意の第三者には主張することが出来ない

・脅迫:取り消すことが可能。善意の第三者に対しても取り消しを主張することが出来る。


本解答についての解説の投稿を募集しております。 tokyo_acsp@hotmail.co.jp 宛に
ビジネス法務クイズ第○○回解答の解説投稿しますとタイトルに明記しお送りください。
必要な修正を施し、掲載させていただきます。(掲載しない場合もありますのでご了承ください。)
なお、投稿者については、ご希望に応じお名前・ニックネーム公表もしくは匿名をさせていただきます。


=========================

第10回クイズ「第28回3級問2-1」はこちら ⇒ クリック
第11回クイズ(第28回3級検定試験問2-2)はこちら⇒ クリック
ビジネス法務のブログ 全体の目次 ⇒ クリック

0 件のコメント:

コメントを投稿